OTONA no NAMIDAの背景にあるもの

夢・音楽館、僕らの音楽、あの番組の放送から2年が経ち、ついに生バンドが実現した昨日のコンサート、この結果は決して偶然でも無ければただ単に2年という月日が流れただけでもない。
その背景にあるものはなんだったんでしょうか?
そこを書いてみようと思います。

あややがアイドルではなく、歌手としてその可能性を示したのが「夢・音楽館」(NHK)と「僕らの音楽」(フジテレビ)という番組で、自分の持ち歌をジャズの生演奏に合わせて歌ったり、昔の難しい歌を歌いこなしたり、その当時からファンの間では歌手としても高い評価を受けていましたが、想像を上回るパフォーマンスの凄さに、番組を見た誰もが驚き、この素晴らしい空間に一緒に参加してみたいと思ったに違いありません。

番組が放送された後、ファンサイトではアコースティックライブ実現に向けて企画が始まったり、コンサート会場でも生バンドの演奏でのコンサートを熱望する声が高まりました。


■2004年9月18日座間、秋のコンサートツアー初日昼公演
「THE LAST NIGHT」歌い終わりのワンフレーズ前で完全な無音状態にする演出があり、あまりの予想外の演出に客全員が唖然として声もでなかったため、虫の息も聞こえそうな数秒の静寂が会場を包みましたが、夜公演からはその静寂で叫ぶファンが現れ(いわゆる静寂妨害と呼ばれるもの)、いろいろと物議をかもし出すこととなる。
静寂妨害をした人と注意した人でトラブルが発生するなど、ファンからはそこまでなって本人も悲しむならば静寂という演出はやめた方がいいのではという意見まで出たりしました。
結局、この秋ツアーで静寂は関西で多めに成功したものの、関東ではほとんど成功しなかったという結果を目にしたことがあります。


■2005年2月25日座間、春のコンサートツアー初日昼公演
今度はゲストのメロン記念日と一緒に「ドッキドキ!LOVEメール」をアカペラで披露。
静かに聴き入る時間、そしてお客に手拍子を求めて一緒に参加する時間、何とも言えない一体感が会場を包む。
ラストの「100回のKiss」でも静寂を取り入れ、前回に比べて成功率がUP!
さらに、このツアーの途中から、アカペラが始まる前にお客さんから自然に「しー」っと静寂の呼びかけが始まるようになり、少しずつコンサートのメリハリの楽しみ方をファンが覚えていったように思う。


■2005年5月22日草加、ハロプロパーティ~二日目昼公演
この公演からアンコールで前日には無かった春ツアーと同じアカペラが追加されたが、これには微妙な反応があり、好意的な声だけではなく、「同じ演出なので飽きた」といった声も聞かれた。
しかし、公演が進むにつれ「青春宣誓」のアカペラをやったりアレンジを入れたりしていった。


■2005年9月3日八王子、ハロプロパーティ~NEO初日昼公演
あややのソロコンを熱望していたファンを中心に、秋もパーティ~を続けることに不満が多く聞かれ、事務所批判が強まっていた時期。
ソロよりもパーティ~を行うということで、それだけのものというファンの気持ちには大きな期待もあったが、夏までに行っていたパーティ~とNEOの構成がほとんど同じだったことで、当初猛烈な低い評価を受けることとなる。
普段なら初公演は一曲一曲、どよめきと歓声が上がるのに、NEOではためいきが会場を包む。
MCになっても会場のざわつきは静まらず、とても雰囲気の良くないコンサートだった。

とはいえ、結果的にNEOは全国を周り、新しい形のコンサートとして認知され、最終公演でパシフィコ横浜が満員になるまでに高評価を受けることとなる。


■2006年4月1日市原、春のコンサートツアー初日昼公演
ラジオの関連から生バンドの演奏が噂され始まったコンサート。
ついにそのときは訪れた。
あややが自分自身で世界を切り替える合図を送ると、そこにいたのは2年間待ち続けた歌手"松浦亜弥"。


>ここからが本題
昨日の公演では、誰一人静寂を破る者もなく、心の通い合った"歌" "演奏" "手拍子" "拍手"がとても良い雰囲気が会場を包んでいました。
ここまでのことができたのは、松浦さんの努力はもちろんのこと、ファンも2年間知らず知らずのうちにいろいろな経験を学んできたからだと思います。

そして、絶対に忘れてはならないのは松浦さんをずっと陰で支えてくれているスタッフさんたち。
昨日も僕は夜公演の開始前に会場責任者の方とお話し、昼公演の感想などを伝えたりしていましたが、今回の公演に限らず、演出などを制作されているスタッフさんは、常にみんなが楽しんでいる姿や、会場内の反応など「何をするとどういった反応が返ってくるのか」「どういったことをすると喜んでくれるのか」を冷静に分析してくれているそうです。

よく考えてみてください。
例えば、松浦さんのコンサートでは、「掛け声についてきて」と言って「あー!」などで掛け合いをやりますよね。
声を出すことで、すっきりするし、テンション上がるし、簡単な振り付けを一緒にやるのも遠くの席の人も含めて会場全体で一緒に参加している実感が持てる演出なんだと思います。
端的に見れば「毎回同じ曲で、同じ演出」という見方もできるけど、野球で言えば甲子園に行ったら7回にジェット風船を飛ばすとか、試合の勝敗とは関係ない部分での定番の楽しみなんでしょうね。
定番があるから冒険もできるということなんですよきっと。

また、ファンの反応だけでなく、直接の感想なども表側でファンに接しているスタッフの人から、伝わるそうです。
予想通りの反応が返ってくれば「よしっ!」、予想外の反応が返ってくると「そういう見方もできるのか」と次の演出の判断材料になります。

多分松浦さん本人も制作を担当する一人だと思うし、メンバーが感じたファンの反応、スタッフさんが感じたファンの反応など、いろいろ話し合いながら演出が一つずつ決まっていくんだと思います。

>これらを踏まえた上で
もう一度2年間を振り返ってみましょう。

2004年秋、静寂でのファンの反応を見て、まだ本格的にこういった演出を実現するのは難しいと感じたんじゃないでしょうか。
その一方で、あの演出を評価する声や、松浦さんの歌手の一面をもっと見たいと言う声が多く伝わったことも事実だと思います。

2005年春、前回の反応を活かし、ただの静寂ではなく、ファンも一緒に参加できる楽しみを加えたんだと思う。
それがみんなでアカペラを成功させようと言う共通の目標になって、ファンからの協力もあり、自然にメリハリという楽しさを学ぶことができた。

パーティ~では、他の曲やアレンジを加えたアカペラを披露するなどメンバーにも余裕が出てきて、ファンから反応をいろいろもらって、こうすれば「お客さんが楽しんでくれる」と手ごたえを感じたと思う。
さらにNEOも含め長期ツアーの間に、みんなが楽しめる盛り上がり方も確立できたんじゃないでしょうか。

そして昨日の公演、いろいろなことに挑戦して、ファンの反応を見て、これを繰り返してきた結果があらゆる部分に出ています。
みんなが楽しめる定番があり、その土台の上に大きな冒険を持ってきて、その期待に見事に応える松浦さん。
そして、松浦亜弥を惹きたてる演出の数々の中には、ファンの2年間の経験も大きな力になっていました。

アコースティックライブがなかなか実現しないとか、ソロツアーをやってくれないとか、今までいろいろ不満を持ってた人もいると思うけど、こうやって結果が出たとき、改めて振り返ってみて、それまでにやってきたことを見直してみると新たな発見があるかもしれませんよ。
実現には時間がかかったけど、事務所やスタッフの人もちゃんとファンの意見に耳を傾けてくれていることも感じられると思います。

あと、もう一つ感じることがあって、この2年間というのは松浦さん本人が自分の好きな歌を目指すとき、みんなに受け入れてもらえるように少しずつ時間をかけて受け入れてもらえる環境を作ってきたようにも受け取れるんですよね。
一切の強制はせず、楽しみの中からいろいろなことを教えてくれて…本当の意味で「歌の楽しさを伝える」ってこういうことなのかも。
そして、それを辛抱強くずっと支えてきてくれたスタッフの人たち。
こういったいろいろな人の思いがあのコンサートには詰まっているんじゃないでしょうか。
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by heartproject | 2006-04-02 19:21 | ハロプロイベント
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